長く親しまれてきたカラーベストの屋根。
その意匠性を継承しながら「スマートメタル」に改修。
株式会社 山下設計
関西支社
高尾 宜之 氏
キャンパス移転から17年。老朽化が進む屋根のリニューアル。
立命館宇治中学校・高等学校は2002年に現在の地に移転、開校。周囲が閑静な住宅街であることから、植樹による大きな緑地帯を設け、周囲との景観調和や騒音対策に配慮されました。月日が流れ、緑地帯の木々が大きく育つかたわら、体育館などの屋根の傷みが目立つようになりました。約1,800uもある体育館の寄棟屋根と、校舎の屋根はカラーベスト。2020年3月の卒業式に間に合うよう、まずは体育館の屋根改修をと、山下設計様に依頼されたのが2019年6月下旬のことでした。
4つのリニューアル手法を検討し、「スマートメタル」の重ね葺きをご採用。
設計を担当された高尾氏は@カラーベストの葺き替え、A鋼板の葺き替え、B金属屋根材「スマートメタル」の重ね葺き(カバー工法)、Cウレタン防水による屋根改修の比較検討資料を作成しました。工期をはじめ、意匠性、費用、メンテナンス性などのさまざまな視点から立命館様と打合せを重ね、「スマートメタル」のご採用を決定。既存のカラーベストの上に葺くことができるため、葺き替えのように剥がしたり、下地をやり直したりの手間がなく、その分工期を短く、コストを抑えることができる。また千鳥葺きなどの葺き方を選べるため、意匠性に優れていることがご採用の決め手になり、「長く親しんできた外観イメージを変えたくない」という立命館様からも、快諾をいただけたとのことです。
これまでの外観イメージを継承しながら、省メンテ・省コストの屋根に。
「スマートメタル」を重ね葺いた体育館は、高尾氏の意図した通りの仕上がりで、校舎のカラーベストの屋根と自然な感じで調和しています。また優れた耐食性をもち錆などの影響を受けにくく、省メンテナンスでランニングコストを抑えられるのも、「スマートメタル」ならではのメリットと高い評価をいただきました。立命館様からも、美しさを取り戻した体育館で卒業式を迎えることができ、さらに工事中は騒音や振動、ホコリに悩まされることなく、体育の授業やクラブ活動が続けられたと、大変喜んでいただけそうです。