130年の歴史を誇る垂玉温泉。熊本地震・豪雨災害をのりこえ
未来へ紡ぐ施設に選ばれた自然を活かす屋根材。

垂玉温泉 瀧日和[熊本県]

各種施設 木造 屋根材 採用商品

堺武治建築事務所

堺 武治 氏

坂本達哉建築設計事務所

坂本 達哉 氏

安土桃山時代からつづく湯治場が、震災から5年を経て令和に復興。

阿蘇山のふもと「金龍の瀧」の滝壺から湧く温泉。古くは安土桃山時代までさかのぼり、明治以降は垂玉温泉の名で130年以上親しまれてきました。2016年の熊本地震、それに続く豪雨により滝壺周辺や旅館は甚大な被害を受けて休館。「歴史ある温泉の燈(ともしび)を守り、後世に伝えていきたい。そしてお客様が安心してご利用いただける施設にしたい」とのオーナー様の想いのもと、5年の歳月をかけて、令和3年に日帰り温泉施設として生まれ変わりました。震災前の古き良き面影を残しながら、現代的なデザインをとりいれた温泉施設。その屋根にグランネクスト シンプル、雨といにKAKUをご採用いただきました。

「大自然の景観を活かす」をコンセプトに屋根はシンプルなデザインを選択。

震災の爪痕は大きく、浴場以外の建物を全て解体する必要がありました。そして本館、貸切湯、蒸し釜施設の新設、大浴場と露天風呂などの改修を託されたのが堺氏と坂本氏、ふたりの設計士様でした。地域がダメージを受けるなかでも悠然と流れる金竜の瀧、緑豊かな自然、地面から吹き出る湯煙を目にし、「この地を訪れたお客様に雄大な自然を楽しんでもらいたい」「自然に目が行くよう、落ち着いた平屋の建物に」のコンセプトがすぐに決まりました。堺氏と坂本氏の考えは一致し、設計・デザインの共同作業はスムーズに行われました。平屋にしたことで、景観の妨げにならないよう、屋根のデザインが重要に。シンプルな屋根材を探しているなかで興味を惹かれたのがグランネクスト シンプル。軒先や棟廻りがすっきりと納まり、余計な装飾のないシンプルな屋根材だからこそ、この地の雄大さと調和できると考えました。

シンプルを追求した外観による時を経ても変わらない美しさ。

新たに「燈の湯」と名づけられた浴場は、燈(温泉)でお客様を温かく包みこむと共に、歴史の燈を守りたいオーナー様の想いがこめられています。「グランネクストは小口がピシッと切れていて、すっきり見える。ケラバにカバーをつけなくても美しい。」と堺氏。「石のような見た目が、本館の外壁などに使われている杉やウッドデッキと相性が良い」と坂本氏。セメント素材だから、温泉の硫黄成分で腐食しないことも採用の理由にあげられています。さらに雨といには、段差のないフラット形状、光沢を抑えた質感の「KAKU」を採用し、屋根と一体化したシンプルな外観を追求しています。

採用商品