雄勝石スレートとSOLIDO。
新旧素材の調和が生みだす伝統と発展の新しい街並み。

雄勝体育施設(雄勝艇庫)[宮城県]

教育施設 鉄骨造 外壁材 採用商品

株式会社 東畑建築事務所

東北支所

東北副支所長 佐伯 裕武 氏

雄勝石の産地に建てられたSOLIDOの艇庫・体育館。

国道398号を雄勝湾の海岸沿いに走行すると、目に飛び込んでくるエメラルドグリーンの海と、雄勝の町並み。雄勝町は、硯などの伝統工芸品やスレート建材の原材料である雄勝石の産地として知られおり、町内の住まいや公共建築物の屋根や外壁などに使われていました。東日本大震災により雄勝町でも多くの建物が倒壊しましたが、国と県と市が一体となって復興に尽力。その取り組みのひとつである雄勝艇庫と雄勝体育館にSOLIDO typeM_LAPをご採用いただきました。

深みある純黒の美しさをもつ雄勝石に釣り合う素材として選ばれたSOLIDO。

雄勝町に住む人にとって雄勝石は、昔から慣れ親しんだものであり、原風景と呼べるものでした。今回の復興計画で雄勝石を使うことは絶対条件であり、最初に建てられた雄勝硯伝統産業会館と観光物産交流館には、外壁として使われています。しかし度重なる地震の影響によって採掘が滞るようになり、艇庫と体育館には使えなくなりました。設計を担当された佐伯氏は、急遽、純黒の美しさをもつ雄勝石と相性の良さそうなサイディングの情報を収集、知り得る限りのメーカーからサンプルを集めて検討しました。その数は30種類にも及びます。塗装や、床材・屋根材を外壁として使うことまで考え、水に濡らして艶の具合を確認するなど、様々な角度から雄勝石との相性を調べ、選ばれたのがSOLIDOでした。

雄勝町復興の想いが込められた雄勝石とSOLIDOの街並み。

SOLIDOは艇庫2階と、体育館1階の外壁材として使われています。1枚1枚、白華の出方が異なる外壁材なので、艇庫に葺く際は、建築中の建物の前にSOLIDOをずらりと並べて、上下左右を入れ替えながら、白華がバランスよく見えるように考えられたとのこと。また端部の留めは、側面の押出成形セメント板との間を特注の曲げ物形状で納めることで、スッキリと見せる工夫が施されています。2階ファサードの全面にSOLIDOを葺くことで、モノトーンでありながら、強い印象をあたえる外観となっています。雄勝石とSOLIDOの新旧素材を組み合わせた街並みは、伝統を守りながら、新たな時代を歩もうとしている雄勝町と重なりあって見えます。震災から年月が経ち、雄勝石の採掘に向けての動きも始まりました。また、雄勝石の食器など現代のライフスタイルにあわせた商品も増えているそうです。

採用商品

外壁材