鉄黒のシックな外観に生まれ変わった駅舎。
「格好いい!」と設計者からも好評価。
東日本旅客鉄道株式会社
横山 友美 氏
新しい駅舎のイメージは工業地帯に通じる“門”。
JR東日本「武蔵白石駅」は京浜工業地帯の通勤路線である鶴見線のひと駅。駅舎の老朽化に伴う建て替えが計画され、社内コンペによって設計を任されたのが入社1年目の横山氏でした。これまで駅舎の改修に携わることはありましたが、一から設計を手がけるのは初めての経験でした。無人駅になって約50年。駅員が駐在していた頃の給湯室など、いまでは使わなくなった空間があり、トイレは和式だった旧駅舎を、券売機室と多機能トイレに再設計し、大屋根で囲うことで工業地帯に通じる“門”をイメージした姿に刷新しました。
ひと目で心を惹かれた鉄黒のシックな色合い。
周辺の環境になじむよう無機質な印象を意図した横山氏。イメージに合う外壁材としてサイディング、コンクリート、押出成形セメント板などを比較検討した結果、比較的コストが抑えられ、潮風による錆に強い素材として窯業系サイディングが候補に挙がりました。さらに検討を進めたところサイディングと同様の性能を持ちながら、より横山氏のイメージに近い建築素材「SOLIDO typeM_LAP 鉄黒」にめぐり逢いました。一枚として同じものがなく飽きのこないデザインと、鉄黒のシックな色合い。工業地帯の玄関口にふさわしい駅舎にしたいとの想いをカタチにし、見事にコンペを勝ち取りました。
365日休むことのない駅舎はメンテナンス性にも配慮が必要。
SOLIDOは重ね張りなので、万一破損しても、その箇所だけを張り替えればよく、修理の負担が軽いこと。サイディングに比べてシーリングの使用を大幅に減らせ、メンテナンスの手間を減らせることなどもご採用のポイントになりました。また、駅舎は長い年月、その街の顔として親しまれる存在。SOLIDOは時間の流れとともに表情が移り変わっていく味わいがあり、「10年後、20年後にどのような表情になるのか楽しみ。日々ご利用になるお客様にも喜んでいただけるのではないか」と横山氏。未来の姿に想いをはせつつ、竣工したばかりの駅舎を眺めてひと言「格好いい!」との評価をいただきました。