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家と庭をつなぐ軒下空間「ロッジア」が、
戸外での楽しみを広げてくれます

  • #家のデザイン・間取り
  • #アウトドア
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「伸びやかな少年時代をわが子にも」とUターン

春・夏・秋はキャンプ、冬はスキーと、大のアウトドア好きなSさん一家。「ふだんから庭で気軽にバーベキューなどをしています。3人の子どもたちは中も外も関係なく遊び回っていて、キャンプ場へ出かけたりもしますが、この庭よりのびのび過ごせる大きなキャンプ場まで行かないと、満足できませんね(笑)」(ご主人)

都内のマンションで暮らしたこともあるご主人は、息苦しさを感じて肌に合わず、いつかは広々した場所で暮らしたいと考えていました。30代になると、奥さまと第1子を連れて地元埼玉にUターン。やがて2人目、3人目と家族が増え、実家の敷地内に念願のマイホームを建てることになりました。家族の一体感を大切にした設計で、間仕切りが少なく、全体が大屋根に覆われたオープンな間取り。子どもたちが家のどこにいても声が届き、気配が伝わります。

壁ではなく、スキップフロアの段差を利用して部屋同士を緩やかに区切る構成

リビングやダイニングは庭に対してもオープンで、内外の連続感がある

のどかな田園暮らしを広い敷地内で実現

Sさん宅周辺は徐々に開発が進んできていますが、住宅の中にまだポツポツと畑が残り、のどかさを感じられる土地柄。実家は代々農業を営んできた歴史があり、敷地内には両親が暮らす母屋も立っています。また、家庭菜園と呼ぶには大きな畑も地続きであり、子どもたちはおじいちゃん、おばあちゃんが育てた野菜の収穫を楽しんでいます。家の前には、青々と広がる芝生の庭。この庭を中心にして、わが家だけでなく母屋や畑を自由に行き来する生活をしています。

芝生にキャンプ用のテーブルや椅子を出せば、そこがリビングに

玄関不要。土間から出入り、裸足もOK

アウトドア志向のライフスタイルは、家のつくりにも反映されています。庭も室内と同様に利用できるように、床をできるだけ低くし地面に近づけました。通常の玄関はつくらず、土間を広くして直接ダイニングやリビングに出入りするスタイルに。こうすることで庭と室内の垣根を感じず、移動もスムーズになります。境界が曖昧なので、子どもたちはつい玄関手前のテラス部分で靴を脱いでしまうことも。「あ、脱ぐ場所、間違えちゃった!」と言う息子に、「いいんだよ、間違えても。うちには玄関がないんだから」とお父さんはいかにもおおらか。この場所で遊び回って育った自分の幼少期を重ね、優しく子どもたちを見守ります。

ロッジアから土間へは段差が少なく自然なつながり。土間は玄関にもなり、隣に暮らす両親や近所の人も気軽に声かけしてくれる

2階のテラスに向いた窓から光が差し込む明るいダイニング空間。休日は、家族みんなでホームベーカリーを楽しむ

2階のテラスに向いた窓から光が差し込む明るいダイニング空間。休日は、家族みんなでホームベーカリーを楽しむ

庭と家の「つなぎ」を居心地良くすると外が楽しい

家と庭の間にあるテラス「ロッジア」は、建物の幅以上に長く、広々。ロッジアはイタリア語でベランダや回廊といった意味だそう。リビングから連続する「外の部屋」として、また庭で遊ぶときのベース基地として、重要な役割を果たしています。電源や水道の栓も引いてあり、使い勝手は抜群。建物と一体のがっしりしたベンチもあるので、いろんな過ごし方が可能で、屋根付きなので雨の日でも濡れずに過ごせる万能な場所です。
地面に敷き詰められた細いコンクリートブロックは、ご自身で施工したのだそう。「暑い盛りに、大量の重いブロックを広い面積に敷くのはたいへんでした」(ご主人)。少し凸凹もできてしまったけれど、それが硬いはずの素材に優しい表情を添えていて、結果オーライ。水で濡れても乾きが早く、ほうきで軽く掃くだけで土埃が目地に落ちてすぐきれいになるのもお手軽です。

ロッジアには半透明の屋根がかかり、雨の日でも濡れずに過ごせて明るさも十分

長いロッジアはよい運動場に。しっかりしたつくりのベンチがあるので、ゆったり腰掛けて過ごすのもいい

週末、自宅の外遊びで心身をリセットして、エネルギーを充電

ご夫妻は共働きで、平日はどうしてもバタバタに。「僕は毎朝7時前に家を出て、帰りは夜10時くらい。エネルギーを充電するためには、週末に気分転換が必要ですね。できるだけ仕事のことを考えないようにしてリラックスします」とご主人。アウトドアで過ごす時間は、心身のリセットに欠かせない要素。遠くへ出かけずにその欲求を満たせる環境が、どれほどご夫妻の助けになっていることか。

休みの日には、天気が良ければ庭と室内を行き来しながら、それぞれが好きな場所でご飯を食べたりすることも。子どもたちは庭先で野球やサッカーをしたり、テントを張って夜もそのまま寝てみたり。「コロナ禍で外に遊びに行けない時期も、庭が公園のようなので発散できて、まったく困りませんでした」(奥さま)。小さな組み立て式のピザ窯を庭にセットして、ちょっとした家族のイベント仕立てに。夏は、庭にタープを張り、ビニールプールに水を張れば、気分も変わって盛り上がります。

2階の子ども部屋は、全開にできる引き戸を間仕切りに。日当たり抜群のテラスとつながって明るい雰囲気

家の中にいても、外とつながっている感覚で気持ちが開放されます

夏休みの解放感を週末ごとに味わえる幸せ

アクティブなS家にとっては、庭がメインの生活空間と言っていいほど重要な場所。ロッジアという軒下空間が、庭の居心地や使い勝手の良さを支えています。さらに、Sさん夫妻のおおらかさが子どもたちを外へと誘っているように見えます。裸足で庭と室内を行ったり来たりしても、怒られない。気が向いたらご飯を庭で食べてよし。テント遊びでくたびれたら、そのまま外で寝てもOK。子どもたちは、週末をいつも夏休みのような解放感で過ごしているのかもしれません。

DATA

設計 IN STUDIO
敷地面積 617.02u
建築面積 104.87u
延床面積 1階76.59u、2階34.21u、合計110.80u
主要構造 木造
用途地域 第一種住居地域
設計期間 8ヶ月
工事期間 7ヶ月
竣工 2018年

設計者から一言

Sさんご家族が毎日をキャンプのようにアクティブに、開放的な気分で暮らせるように、中も外のような、外も中のような家を構想しました。その間に存在するロッジアは、オマケ的な存在ではなく、むしろ主役といえるかもしれません