屋根で減震のメカニズム

屋根で減震のメカニズム

地震の際、屋根が重い建物ほど
地震の力を大きく受け、
建物の揺れも激しくなります。

屋根が重いと…

  • ●重量に比例して、建物にかかる負荷が大きくなります。
  • ●重心が高くなるため、建物が大きく揺れます。
屋根で減震のメカニズム

軽い屋根がもたらす2つの「減震効果」

屋根を軽くすることによって、建物の「軽量化」と「重心の低下」という2つのアプローチで建物の揺れを小さくできます。

屋根で減震のメカニズム

軽い屋根の減震効果

建物にかかる力を小さくする。

同じ建物が同じ大きさの地震を受けた時、屋根が重くなると、その重量に比例した余分な負荷が建物に加わります。「屋根を軽くすること」。それは、建物にかかる地震の力を小さくすることにつながります。

屋根で減震のメカニズム

※屋根の重量だけが違う同じ建物に、同じ加速度の力を与えた場合の建物にかかる負荷の違いをイメージしています。

軽い屋根の減震効果

揺れ幅を小さくする。

屋根が重く、重心が高い位置にある建物ほど、振り子の原理と同様にゆっくり大きく揺れます。「屋根を軽くすること」。それは、地震の際の建物の揺れ幅を小さくすることにつながります。

軽い屋根の減震効果

※屋根の重量だけが違う同じ建物に、同じ加速度の力を与えた場合の揺れの違いをイメージしています。

「軽い屋根」は、耐震・免震・制震構造のどの建物にも有効です。

現在、耐震住宅と呼ばれるものには「耐震構造」「免震構造」「制震構造」があります。耐震構造は、建物全体で地震の揺れに耐える構造。免震構造、制震構造は建物に伝わる地震の力を減らしたり吸収したりするものです。どの構造でも建物は地震の力による影響を受けてしまいますが、軽い屋根の「減震効果」はいずれの構造でも発揮されます。

  • 柱や梁を太くしたり、壁を増やすなどで建物を丈夫にして、地面に踏ん張り建物全体で地震の力に耐える構造です。

  • 地面と建物の間に免震装置を設置して地震のエネルギーを遮断。建物に作用する力を減らし、建物の揺れを小さくします。

  • 建物の内部にダンパーと呼ばれるエネルギーの吸収部材を入れ、建物を揺れにくく、また揺れを納まりやすくする構造です。

一般的に、地面の揺れの大きさは「地動加速度」と呼ばれ、その地面の揺れを受けて建物が揺れる大きさは「応答加速度」と呼ばれています。通常、建物の揺れは地面の揺れよりも大きくなり、建物の応答加速度は地動加速度の約2.5〜3倍ほど大きくなるといわれています。

■地震時に建物にかかる負荷(イメージ)