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家づくりの知識
発表!人気「外壁材×壁紙」ベスト5【2025年版】
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外観を決める外壁と、インテリアを作る壁紙。それぞれを分けて考える人が多いのが現状ですが、住まいの「ソト」とドアを開けた「ウチ」の印象が調和した住まいは、より豊かで心地良い空間になるはずです。外装材メーカーであるケイミューで採用実績の多い外壁材と、壁紙を始めとするインテリア総合企業・サンゲツで人気の高い壁紙をコーディネートしてご紹介する企画の第2弾をお届けします。
上質感が漂う外壁 × 自然界の色調から抽出した壁紙
「洗練された上質な住まい」をイメージしたコーディネート。自然の風合いを感じる温もりと落ち着きを兼ね備えたグレージュの壁紙に合わせたのは、エレガントな天然石調の外壁。それぞれシンプルな印象ですが光を受けた時に現れる陰影が美しい、飽きることのない住まいです。
■外壁材
エクラス
QFシルク チタン ホワイト


石肌をイメージした彫りが深い凹凸柄と、ランダムなボーダー柄を合わせた外壁材です。ホワイト系の中でも優しい色合いで、凛とした中にエレガントさもあるので高級感を表現したい方におすすめです。
おすすめの使い方

建物全面に使用すると水平ラインが強調されて、きちんとした印象に。写真のように木目調の外壁やルーバーを組み合わせると上品なコンビネーションを楽しめます。凹凸が多い建物や横ラインを強調した建物に合いやすく、寄棟屋根とも相性◎。窓に黒いサッシを選んでアクセントにするのもおすすめです。
■壁紙
バイオクロス RE55003
erdeエルデ(大地)


自然界の色調から抽出したトレンドのグレージュ色に、天然石をイメージしたわずかに凹凸のあるテクスチャーが魅力。植物由来の原材料を使用し、表面強化と撥水加工を施しているためキズや汚れがつきにくい点も特長です。
おすすめの使い方

リビングやダイニングなど、部屋全体の壁と天井に統一して使うのがおすすめ。サンプルは濃い色に感じますが、色は面積が広くなるとワントーン明るく見える性質があるため、さわやかさとグレージュらしい落ち着きを兼ね備えた空間を作れます。木の家具やカーテン、ガラスの照明など、多様な素材をおおらかに受け止めてくれます。
ニットを思わせる温もりの外壁 × 塗り壁を表現したモルタル調壁紙
外壁でも壁紙でもトレンドである「手仕事の温もり」を感じさせる風合いの提案です。壁紙は塗り壁のテクスチャーを表現し、外壁は手編みのニットをイメージした柄に。優しい雰囲気に仕上がり、植物や無垢材の家具、焼きものの器といったナチュラルな要素とも調和します。
■外壁
ニティ18
QFシルク チタン ホワイト


白いニットを編んだような繊細な柄が温もりを感じさせる外壁材。優しい印象からモダンな佇まいまで、多彩なデザインに合います。写真のような横向きはもちろん、縦向きに使用しても違う表情を楽しめます。
おすすめの使い方

シンプルな柄なので、こちらをベースにアクセントになる外壁を組み合わせる使い方が人気です。写真のような木目調のほか、石目調やレンガ柄など自然素材モチーフの外壁を引き立ててくれるため、ナチュラルな雰囲気にしたい方におすすめ。自然な風合いは植栽とのコントラストも楽しめます。
■壁紙
RE55627


ここ数年、根強い人気を誇るモルタル調の壁紙。塗り壁を再現したリアルなテクスチャーが、光によって様々な表情を見せます。幅広い色合いの床や建具となじみやすい、オールマイティーな壁紙です。
おすすめの使い方

ハードな印象ですが光の当たり方で表情が変わり、日当たりが良いリビングやキッチンなら壁全面に使っても重くならず、落ち着いた空間を作れます。照度を抑えた場所では色が濃く見えますが、洗面室やトイレなどコンパクトな空間なら全面に使っても素敵。撥水機能があるので水回りにも気兼ねなく使えます。
ゆらぎが心地よいモダンな外壁 × 温かみのあるコンクリート調壁紙
こちらもトレンドの「ムラ感」をキーワードに、室内外をリンクさせたコーディネートです。揺らぎのある柄は、自然光や照明の光を浴びて繊細な影を見せてくれるのが魅力。グレーでシックにまとめながら時間や季節によって移ろう影を楽しめるので、暮らすほどに愛着が増す住まいになるでしょう。
■外壁
シンプルドット
QFドット チタン グレー


近くで見ると繊細なドット模様ですが、離れて眺めるとトレンドであるムラのある表情を楽しめます。モダンな表情にムラによる優しいゆらぎ感がプラスされ、草木の影が揺れる様子も似合います。
おすすめの使い方

人気のグレーの中でも自然な風合いなので、全面に使用しても重くならずすっきりとした印象です。濃いグレーやブラックの外壁と組み合わせるのも◎。1階部分に使うと、ドットの表情を楽しめます。窓のサッシはシルバーやステン色なら全体になじみ、ブラックなら引き締め役になります。
■壁紙
RE55455


トレンドである素材感を楽しむ壁紙の中でも人気のコンクリート調。グレーにブラウンの色味が入っているため、温かみがあります。表面の特殊フィルム効果でキズや汚れが付きにくいのも特長です。
おすすめの使い方

空間の一部に貼って、アクセントウォールとして楽しむのがおすすめ。一面だけでなくコーナー部分など二面以上に使うと、光の当たり方によって様々な陰影を楽しめます。表面にキズが付きにくく汚れも落としやすいので、自転車やベビーカーを置く玄関、汚れが付きやすいキッチンやトイレにも向いています。
ブラックの天然石柄の外壁 × コンクリート調壁紙
ブラックのクールでモダンな表情を生かしながら、上質と落ち着きをテーマに。外壁と壁紙でテクスチャーを変える一方、どちらも色味をマットブラックでそろえることで統一感を感じさせます。ともに存在感のあるテクスチャーなので冷たい印象にならず、味わいある住まいが完成します。
■外壁
オーバルストーン
QFオピリ チタン ブラック


ダイナミックな大割の石目をランダムに並べた柄と、くっきりとした陰影が特徴のモダンなデザイン。存在感がある柄で、砂岩をモチーフとした自然な濃淡やマットな質感、色ムラ効果で落ち着いた印象です。シックさと高級感を表現したい時に。
おすすめの使い方

柄に存在感があるので、シンプルな外壁と組み合わせてメリハリをつけると良いです。組み合わせる外壁はフラット系や、同じ石柄でも小割のものがおすすめ。特にグラデーションがきれいな木目調の外壁は、自然素材モチーフが共通しているため好相性。玄関ドアや軒天、屋根の破風も同じ色で統一して組み合わせると、全体に力強さが生まれます。
■壁紙
RE55616


コンクリートのような個性的な質感が人気のロングセラー商品。表面にウレタンコートが施されているためマットな質感で、撥水効果があることから掃除しやすいのも特長です。
おすすめの使い方

存在感がある色合いを生かして、テレビ背面の壁やカウンターの腰壁、寝室のベッドヘッドなど、部分的にアクセントとして使うのがおすすめ。白い壁や天井と組み合わせるとモダンな雰囲気に仕上がります。天井に使うのも◎。その際、壁は明るい色や木目調を合わせるとバランスが良く、落ち着いた印象になります。
清潔感があるホワイトの外壁 × 大理石柄のダイナミックな壁紙
上質で高級な住まいをイメージしたコーディネートです。大理石をモチーフにした自然なゆらぎのある壁紙に対して、外壁はキリッとした表情を組み合わせて変化をつけました。外から見た時の凛とした印象と、ドアを開けた時の大理石調の自然な表情のコントラストを楽しめます。
■外壁
シュトラール18
QFマックス チタン ホワイト


さわやかなホワイトがどんなデザインにもなじむ人気の外壁。遠くから見るとフラットですが、近くで見ると塗り壁調の繊細なボーダー柄を楽しめます。清潔感のあるすっきりとした色合いで、組み合わせる外壁材によってイメージを変えられる外壁です。
おすすめの使い方

他の柄の外壁と組み合わせるのがおすすめ。シンプルなので、塗り壁調の柄からダイナミックな柄までどのような外壁とも相性が良いです。人気は、ブラックやネイビーなどダークな色を組み合わせるコーディネート。色のコントラストをはっきりつけることで、シンプルな印象に仕上げることができます。
■壁紙
FE76668


高級感が漂う大理石を表現したインパクトのある柄が、空間のアクセントとして人気の壁紙。全4色ある中でも、こちらのグレーが人気です。彩度を抑えて透明感を持たせているので空間に取り入れても圧迫感を感じにくく、広々とした印象を与えます。
おすすめの使い方

玄関の扉を開けた正面やリビングの一面、洗面室やトイレの背面など、視線が止まりやすい場所の壁一面のみにアクセントで入れる方法がおすすめ。写真のようにある程度広い面積に貼ると、柄全体をダイナミックに楽しめます。照明と組み合わせてもきれいです。
番外編:外壁と壁紙、最近のトレンドは?
紹介された人気商品を見ていると、外壁と壁紙にいくつか共通点があるように感じます。平塚さんと北村さんのお二人に、それぞれの分野のトレンドについてお話しいただきました。

2年ほど前からでしょうか、テクスチャー(素材感)がある壁紙の人気が高まっていますね。コンクリート調やモルタル調がその代表です。ツルッとフラットではなく色ムラがあったり、左官職人がコテで塗ったような風合いがあったり。シンプルでナチュラルなデザインが人気なので、この傾向は今後も続くものと思われます。

外壁材も共通していますね。1つの柄の中でも多彩感のある外壁や人の手で施工したかのような塗り壁調を筆頭に、木目調や天然石調など、自然素材をモチーフにした味わいある風合いのものが人気です。色のトレンドはいかがですか?

漆喰風の質感にトレンドのグレージュを合わせた外壁材「シックイフラット15」の施工事例

今回のベスト5からも分かるように、グレー系、特にジャパンディ(日本と北欧を組み合わせたインテリアのスタイル)のトレンドの影響もあってグレージュの人気が高いです。グレーはもともと人気でしたが、ここ1年ほどでクール系から温かみのある「ウォームグレー」に移行していますね。例えば今回紹介した「RE55455」もその一つ。コロナ禍が落ち着いて心が解放されたことで、温かい雰囲気が求められているのかもしれません。さらに建設費もマンション価格も高騰している影響で、住まいのコンパクト化が進んでいます。限られた空間を少しでも広く明るく見せるために、温かみのある色が求められている影響もあるでしょう。

外壁でも、先ほどお話ししたように自然素材を思わせるテクスチャーの人気とつながって、素材感や温かみのある色合いを持つくすみカラーの人気が高まっています。グレーをわずかにミックスした彩度が低い色ですね。お客様が安らぎを求める傾向が現れていると同時に、周辺環境と調和しやすく、柔らかな色合いが落ち着いた印象の外観に仕上げてくれる点も理由だと思います。

壁紙では、従来はベースにホワイト系、アクセントで部分的に濃い色を組み合わせて奥行きを演出する方法が定番でしたが、最近はベースにグレー系を選ぶ方も増えているので、これまでのように「これはベースの色、これはアクセントの色」と分けて考える必要はないのかなと感じています。

左/ベースに織物調のざっくりした風合いのベージュの壁紙「FE76155」を使った例
右/温かみのあるグレー系の壁紙「RE55267」と「RE55268」を組み合わせた例

普段は外観提案が多いので、今回のように家の「ウチ」と「ソト」の組み合わせを考えるのは新鮮でした。家を建てる方の多くは、外壁と壁紙などの内装を分けて考えますよね。

そうですね。どうしても「中は中、外は外」という感覚が強いので、壁紙を選びにいらしたお客様に床や家具の雰囲気をうかがうことはあっても、どんな外観を選ばれたかをお聞きすることは、私たちもあまりないんです。けれど今回、外壁がお客様の好みを知るヒントになると感じましたし、お客様にとってもこうした提案がヒントになるのかなと思いました。「自分たちが選んだ外観デザインに、この壁紙が合うのかも」とイメージするきっかけになったら嬉しいですね。
お二人のお話から、外壁と壁紙でトレンドの流れが共通していることが伝わってきました。両方をコーディネートする時は色や質感を統一する方法はもちろん、例えば「ナチュラル」「上質感」「陰影」などのキーワードでつなげるのも一つのアイデアです。ぜひ、「ウチ」と「ソト」のコーディネートを楽しんでみてください。