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【住まいを彩るエクステリア #2】色と素材で楽しむ、エクステリアのコーディネート

  • #エクステリア
  • #外観
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エクステリアとは、塀やアプローチ、植栽、ポスト、屋外照明など、建物を取り巻く屋外空間の要素全般を指します。使いやすさはもちろん、愛着ある住まいを完成させるためにも建物と馴染むデザインを目指したいもの。外壁や屋根に合わせてコーディネートすることで一体感が生まれ、住まいをより美しく彩ります。エクステリアの総合メーカー、ユニソンの吉原智也さんに3つのコーディネートを紹介していただきました。

エクステリアもコーディネートを楽しもう

インテリアと同じように、エクステリアも建物や街並みに合わせてコーディネートを楽しむと、住まいはさらに素敵になります。エクステリア全般の企画製造を手掛けるユニソンでは、毎年コンセプトを設けてコーディネートを提案。そのときに注目するのが、外壁や屋根など外装材のトレンドです。色で見ると2022年頃まではモノトーンの外壁材が人気だったためエクステリアもブラックやグレーの製品が多く見られましたが、近年は変化が生まれているそう。

「2024年は、以前から人気が高まっていた白い外壁にベージュ系などワントーンでコーディネートするエクステリアが増えつつあると捉えています。従来は白×黒など外壁と対照的な色をアクセントカラーとして取り入れるコーディネートが人気でしたが、それとは対照的な流れですね。また、コロナ禍が一段落したことでインテリアに活動的なカラーが取り入れられているので、エクステリアにもその流れがくるのではないかと着目しています」

コーディネートでは、色に加えて素材感も重要です。例えば塀の素材には天然木やコンクリート、ブロック、塗り壁などさまざまな選択肢があり、同じ色合いでも素材によって印象が大きく変わります。

ユニソンが2024年に開催した展示会では、ベージュやグレーなど色合いを揃えた多彩な素材を並べて紹介。ワントーンでニュアンスを楽しむコーディネートのヒントになります。

エクステリアは屋外環境になじませるため、木や石などの天然素材やそれをイメージしてつくられる製品が多いのが特徴。近年、注目を集める漆喰調の外壁材とも好相性です。

「天然素材やそれをイメージしてつくられる資材は、それぞれの個体に“色のゆらぎ”があります。例えば製品としての色名はグレーでも、よく見ると青みがかっていたり黄みがかかっていたり、一つずつ違っている。さらに、雨や紫外線で経年変化していくのもエクステリアの宿命です。

そうした微妙な色のゆらぎや質感の変化が重なっても違和感がないのは、やはり自然の一部である外空間ならではの魅力だと思いますね。例えばエクステリアをマットな黒で統一したいと思っても、玄関先にお子さんのカラフルな自転車を置いたりご近所の外観が関わったり、予想外のさまざまな要素が影響するのも外部空間の特徴です。ゆらぎのある色は、そうした雑多なものもおおらかに許容してくれる。だからこそ、色や質感を混ぜて経年を楽しんでいただきたいと思います」

ここからはユニソンが2024年に発表した3つのコーディネートを元に、色と素材を組み合わせて楽しむエクステリアのアイデアを紹介します。

コーディネート@ 白い壁×ベージュ系ワントーンで構成する玄関まわり

【使用アイテム】
@外壁:エクセレージ・親水15 シックイフラット QWラントホワイト
A床材:アムルストーン ベージュミックス
B床材:アルツィt20 600角 ベージュ
Cベンチ座面:ラングボーダー ビアンコ
Dベンチ本体:AX ライン キャメルタン300
E水栓:スプレスタンド60ソリッド オフホワイト
F石材:ワズロック6〜8寸リュウキュウ
G床材:ピンコロハーフ ベージュミックス
Hポスト:ヴィコDB100ポスト有り マットホワイト
I門柱:リブロ5型L 1 エンシェントブリック アイボリー
@はケイミュー、A〜Iはすべてユニソンの製品

左/床材Gと門柱I、ポストH、ドライガーデンをイメージした植栽のコンビネーション
右/外壁@とベンチCD

「漆喰調の白い外壁と木目調のドアに合わせて、エクステリアをグレージュからサンドベージュのワントーンでまとめ、門柱の白でアクセントを加えたコーディネートです。色のトーンを揃えながらも、石畳やタイル、フラットな塗り仕上げの門柱、植物の足元にあしらった天然石など素材をミックスすることで単調にならず、個性的なスペースに。石の経年変化も楽しめます。

建物と道路の距離が近い場合、このように玄関の前に門柱と樹木を配置することで目隠しとなり、プライバシーが守られます。子どもやペットが道路に飛び出すことも防いでくれますね。玄関ドアを開けてすぐに郵便物を取り出せるのが便利なポイントです」

コーディネートA レンガ×インダストリアル素材のモダンな中庭

【使用アイテム】
@塀:チムニースリム ブラウン+レッド
A照明:ポージィポールライト_UA 01023 32 ブラック
B照明:エコルトポールライト EA 11035 ブラウン
C床材:チムニー ブラウン+レッド
Dガーデンシンク:ガーデンシンク フレイム シンク+カウンター
E小屋:ガロ WRタイプ
すべてユニソンの製品

床材のレンガCや植物を這わせるため右手に設置したコールテン鋼の褐色を、小屋Eや水栓の黒で引き締めています。小屋内部の床材もレンガを使い、ヘリンボーン貼りで変化をつけました。

「中庭をイメージしたコーディネートです。2024年のミラノコレクションのキーワードにあった“大地”“土”のテイストを取り入れて、褐色のレンガを床材と塀に使用しています。床材は、同じレンガを馬踏み目地(左右にずらす貼り方)とヘリンボーン貼り(V字を組み合わせる貼り方)で切り替えて変化をつけました。レンガはクラシックなイメージがありますが、あえてインダストリアルな黒いアイテムと組み合わせることで“かっこよさ”が生まれています。小屋や水栓、ポール型照明などを黒で統一することで引き締まり、センスを感じる空間に仕上がります。

空間の主役は、ガーデニング作業の休憩や道具置き場となる小屋。敷地に対して斜めに小屋を配置することで庭の奥にも植栽スペースが生まれ、奥行きが出ています。小屋の壁面につる植物を這わせれば、庭に溶け込みつつ小屋内の温度上昇を防いでくれます」

コーディネートB モノトーンと緑の調和を楽しむ玄関まわり

【使用アイテム】
@塀:スピカ グレー
AEVポート:ヴィコ EVポート POタイプU
B床材:ミュゼオ ONEツキシロ+サビジ[ai]透水60 墨・鈍
C石材:ワズロック舗装材3〜5寸アオバ+サザレ和泉
D床材:サビジ[ai]透水60 墨+鈍
E塀:タウラ ブラウン
F照明:ポージィポールライト_UA 01023 32 ブラック
Gポスト:コルディア100ライト+コルディア120ライト マットブラック+マットグレー
すべてユニソンの製品

左/植物をモチーフにした柄の塀@と植栽、石材Cの組み合わせ
右/植栽とEVポートA

「定番人気のモノトーンでまとめたコーディネートです。グレーの外壁に合わせて、塀、床材、植栽の足元の石材もグレーと黒で統一しながら濃淡のグラデーションをつけ、素材も天然石や金属、陶器調などミックスすることでメリハリが生まれています。グレートーンは、植栽のグリーンや紅葉を鮮やかに引き立ててくれる点も魅力。目線の高さに位置する塀には稲穂を思わせるパターンの素材を選び、植栽と相まって動きのある印象に仕上げています。

建物と駐車スペースの間の塀の高さを約1mと低く抑えたことで室内からも緑の眺めを楽しめる一方、塀に沿って植えた高木がゆるやかな目隠しに。駐車スペースにはフラットな床材を使いつつ、コーナーに砂利や石材を配置することで視覚的なポイントをつくっています」

色と素材の組み合わせを楽しみながらエクステリアをデザインすることで、屋外空間はより個性豊かになります。「まずはSNSや雑誌で魅力的に感じる外観を探して、イメージを膨らませてみてください」と吉原さん。建物や周辺の街並みに調和するコーディネートを楽しんでみましょう。

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