episode 02

SOLIDOと白華現象

SOLIDO - A brief history -

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SOLIDOと白華現象

SOLIDO - A brief history -

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「勝海舟の号令で建設された西宮砲台」
外壁に使われている漆喰の質感がSOLIDOを彷彿とさせる

「フェイクではない本物の建築素材を創ってほしい。セメントも、木や石、鉄などと同じように本物の素材じゃないか。」という建築家の熱い想いに共感した我々は、”セメント本来の 素材感とは何か?”を繰り返し問いなおしていきました。

一般的な新建材のように塗料で着色してしまうと、セメント素材そのものの風合いが失われ、その良さを感じることができない。セメントらしさを感じるために、打ち放しコンクリートのように、着色塗装しない”solid”(ソリッド)な素材を目指すことになりました。
後にこの素材たちは、”solid”というコンセプトをイタリア語に訳して”SOLIDO”(ソリド)というブランド名を採用することになります。

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着色しないということは、すなわち素地がそのまま見えるということです。
セメント素材ですから、その養生(高温蒸気の中でセメントを硬化させる)中にカルシウム成分が表面に析出するエフロレッセンスが現れます。いわゆる白華やエフロと呼ばれるコンクリート業界ではタブーとされる現象で、 表面に白い模様や塊ができてしまうものです。

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オートクレーブ釜での養生時にセメント素材特有の白華が発現

しかし、我々は「これはセメント本来の姿であり、それをあるがままに受け入れることでより”solid”な素材であることを表現できる」と考えました。

SOLIDOの進むべき方向が、これで決まりました。