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収納のプロに聞く!子どもとの旅行を快適に過ごせるパッキングのコツ

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旅行をもっと楽しく、快適にするために大切なのが荷物のパッキング。特に子どもと一緒の旅行では、家族分の荷造りから旅先での管理までスムーズに済ませて非日常を満喫したいもの。今回は整理収納のプロであり、毎シーズン家族旅行に出かけるという赤工友里さんにパッキングのコツをお聞きしました。

整理のプロがたどり着いたパッキング術

パッキングのポイントを教えてもらったのは、整理収納アドバイザーとして活躍する赤工(あかく)友里さん。現在中学生の息子さんと小学生の娘さんを育てるワーキングマザーである赤工さんは、自身の経験を生かした収納術や暮らしのアイデアをYouTubeやブログ、書籍で公開中。すぐに取り入れられるアイデアが人気を集めています。

そんな赤工さん一家は旅行が大好き。近距離から海外まで、およそ2カ月に一度のペースで旅を楽しんでいるそう。

「子どもが思春期になるとなかなか家族旅行に行けなくなると思うので、今のうちに!と恒例行事にしています。旅行に行くたび、家族が仲良くなるんですよね。最近は京都に行ったら歴史を学ぶ、ハワイでは英語を話してみるといったように、旅先ごとにテーマを決めて家族で楽しんでいます」

2024年のGWは家族でハワイ旅行へ。「円安で支払いは恐怖でしたが(笑)、海やグルメ、ショッピングを楽しみました」

子どもとの旅行のパッキングで重要なのは、コンパクトにまとめることはもちろん、できるだけ子どもが自分の荷物を管理できるようにしておくこと。

「旅行中に『ママ、着替えどこ?』『水着は?』としょっちゅう聞かれてお世話して、せっかくの旅行なのにのんびりできないこと、よくありますよね(笑)。子どもの年齢にもよりますが、どこに何があるか子どもも分かるようにパッキングしておけば、親のストレスも減らせます。私自身、せっかくの旅行だからのんびりしたい!という思いで(笑)色々なアイデアを試してきました」

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キャリーケースのレイアウトの基本

まずはキャリーケースの詰め方から。原則は「立てたとき下になる位置に重いもの、上に軽いものを入れる」。下には靴や化粧品のボトル、上に洋服を入れると重心が安定し、洋服がつぶれてシワがついてしまうことも減らせます。

おすすめは、開けたときに左右で大人の荷物と子どもの荷物を分けておくこと。子どもに「あなたの着替えや歯ブラシはこちら側に入っているよ」と伝えておけば、自分で出したり片付けたりできるのでスムーズです。

詰め方の例。左は子どもの荷物、右は大人の荷物に。キャスターがある下側に靴などの重いもの、上に洋服類を入れるのがおすすめ

「お土産を入れるスペースを考えて、行きの荷物はキャリーケースの8割程度までの量に抑えるのが良いと思います。荷物が入り切らなかったときのために持って行くといいのが、小さく畳めるナイロン素材のショルダーバッグ。キャリーケースのハンドルに引っ掛けられるものにすれば、最終日にお土産を買ってそのまま持ち帰れて便利です。以前、旅行の最終日に娘に大きなぬいぐるみをねだられたのですが(笑)、バッグのおかげでスムーズに持ち帰れました。ポイントは、上部をファスナーで閉じられるタイプにすること。落とす心配がないし、特に海外旅行ではスリ被害防止にもなります」

子ども服は1日分ずつフリーザーバッグへ

子どもが小さいうちは、着替えの予備が必要だったりおむつを多めに持って行ったりと荷物がかさばるもの。赤工さんが色々な方法を試した末にたどり着いたベストアンサーが、大きなフリーザーバッグに1日分ずつ着替えを入れる方法です。

赤工さんが愛用しているのは、IKEAのフリーザーバッグの一番大きいサイズ(容量6L、A3よりひとまわり小さい程度)。1袋につき1日分の着替えを下着から上下の服、靴下までひと揃い詰めます。手で押して空気を抜いてからジップを閉めると、コンパクトに収納可能。夏服なら、半分ほどのボリュームに圧縮できます。このサイズのフリーザーバッグなら冬服も入れやすいため、通年で繰り返し使えます。

きょうだい2人、2日分の荷物の例。1枚の袋に全身コーディネートを1セット収納

「フリーザーバッグが適している理由は、透明で中身が見えるから。子どもにとって“見えること”は重要で、ある程度の年齢になると自分で認識して着替えてくれるので助かります。脱いだ服は同じ袋に戻すというルールを決めておくと、夜の着替えもスムーズですね。以前は着替えの準備にバタバタしたり、脱いだ服を散らかさないで!と叱ったりしていましたが、この方法にしてから旅先のイライラやケンカが減りました」

きょうだいがいる場合、1人ずつフリーザーバッグの柄を決めておくと便利。例えばお兄ちゃんはグリーン、妹はピンクと決めておけば本人たちも迷いません。

最後に空気を抜いて上部を折り畳むとコンパクトに収納できる

「うちの子どもたちはこの方法に慣れて、保育園の年中さんの頃から自分たちで荷造りできるようになりました。3日間の旅行なら『2日分の着替えセットをつくって』と伝えれば、自分用のフリーザーバッグを出してきて着替えを詰められるように。小さいうちは、私か夫が最後にチェックしていましたね。考えて用意するところから脱いだ服の収納まで自分で管理するので、自立にもつながります」

服をコンパクトに畳む3つの方法

大人の服は「コンパクトに収納」が最優先。パターン別に3つの畳み方を教えてもらいました。

家でも使える!ショップ風の畳み方

Tシャツ、カットソー、シャツにおすすめのショップ風の畳み方。両サイドを畳んで幅が半分程度になるようにし、縦に2回畳むとコンパクトかつシワがつきにくい状態に。旅行はもちろん、家でも有効な方法です。衣装ケースや引き出しに立てて並べ、ブックエンドで端を支えるとギュッと圧縮できます。色柄を一覧できるので、選びやすいのもメリットです。

1. 服の幅が半分程度になるよう両サイドを畳み、袖も折る
2. 上下半分の位置で折り返す
3.さらに半分に折り返す

Tシャツやカットソーをコンパクトに。くるくる丸める畳み方

洋服のかさを減らしたいときにおすすめなのが、裾を折り返してポケット状にし、丸めた上部を入れ込む方法。ただしシワがつきやすいので、旅行の帰り道におすすめです。

1. 裾を10cmほど折り返す
2. 幅が1/3程度になるよう両サイドを均等に畳む
3. 襟側から裾に向かってくるくると丸めていく
4. 丸めた部分を裾のポケット部分に入れる

かさばる冬服も小さく!ミルフィーユ風の畳み方

ジーンズやスウェットなど厚みのある素材をコンパクトに畳むなら、ミルフィーユのように交互に重ねて平たく収納する方法が便利です。折る回数が少ないので、シワをつけたくないスカートやワンピースにも適しています。

1. 4着の服をだいたい同じ幅になるようそれぞれ畳み、細長い状態で中心を重ねて十字に置く
2. 中心に向かってパタンパタンと4着それぞれ折り返す
3. すべて重ねた状態。1枚ずつ畳んで重ねた場合の半分以下の厚みになる

畳んだ衣類の収納はビニールの圧縮袋のほか、衣類を入れた後にファスナーで圧縮できるケースもおすすめ。長期旅行の場合、宿泊先で洗濯できれば衣類を減らせますが、できない場合は着用済みの服と分けられる仕切り付きの衣類ケースが便利です。

圧縮できる収納ケースの例。両側のポケットに服を入れ(左)、中央のファスナーを閉じると簡単に半分ほどの厚みになる(右)

アイテム別、すぐに使えるパッキング術

ここでは旅先に持っていきたいけれどパッキングに悩むアイテムについて、赤工さんおすすめの収納術を紹介します。

サンダルやスニーカーなど靴をもう一足キャリーケースに入れて持って行きたい場合、使い捨てのシャワーキャップに入れると土汚れが気になりません。帰宅後に気がねなく捨てられるのもメリット。汚れが心配な場合は、さらにフリーザーバッグに収納しても。

シャワーキャップは100円ショップで購入できる

歯ブラシ

大人の歯ブラシは旅先でも手に入りやすいですが、子ども用歯ブラシが用意されている宿泊施設は少ないもの。自宅から持って行く場合、使い捨てのビニール手袋の指の部分に1本ずつ歯ブラシを入れてくるくる丸めると、コンパクトに持ち運べます。

ビニール手袋の5本指にそれぞれ歯ブラシを入れて(左)丸めると(右)、清潔に持ち運べる

子どもの水着

子どもの水着やゴーグルは、専用のフリーザーバッグにまとめて収納。濡れた後もそのまま持ち帰れるので便利です。

服を入れるフリーザーバッグと見分けられるよう、マジックで大きく「水着」と書いておくのもおすすめ

化粧水などのボトル

普段使っている化粧水や乳液、ヘアオイルなどをボトルのまま持って行く場合、液漏れを防ぐために本体と蓋の間にラップを。輪ゴムで止めるとさらに安心です。ポンプタイプの容器は、洗濯バサミがストッパー代わりになります

蓋付きタイプはラップを挟み(左)、ポンプタイプは洗濯バサミで固定(右)

化粧品、コンタクト用品など

化粧品やコンタクト用品の収納で赤工さんが愛用しているのが、無印良品の吊るして使えるフック付きポーチ。ホテルの洗面室や飛行機の中で吊るせて、チェックアウト時は畳むだけなので手軽です。

持ち運ぶときはコンパクトにまとまり(左)、ホテルや飛行機では広げて吊るせる(右)。中央のポーチ部分は取り外し可能

帰宅後の荷ほどきは家族で一気に!

楽しい旅行から帰宅して、少し憂鬱なのが荷ほどきです。疲れているけれど、キャリーケースをそのままにしておくのは気になるもの。特に大変なのが、大量にたまった衣類の洗濯です。「我が家では、その日のうちに荷物を片付けることをルールにしています」と話す赤工さん流の方法を聞きました。

「旅行の洗濯物を片付けるポイントは、帰宅してすぐ家族みんなで一斉に片付けること。我が家は洗濯機の近くの廊下にキャリーケースを広げて、各自が着た服をどんどん洗濯機に入れていきます。子どもたちも、フリーザーバッグに入れて持ち帰った自分の服を洗濯機に入れるのがルール。子どもの分までお母さん1人でやるとけっこう大変ですよね。こうして洗濯機に入れるところまで各自に習慣づけると、一気に終わります」

普段使っている洗濯ネットを旅先へ持って行く方法も有効。旅行中に着た服はネットに入れておき、帰宅後に丸ごと洗濯機に入れて洗えるので手軽です。洗濯ネット素材を使った衣類収納ケースも市販されています。

キャリーケースの手入れも旅行から帰ったタイミングがおすすめ。外側の汚れは、クレンジングオイルを布やティッシュに染み込ませてこすると比較的簡単に落ちます。頑固な汚れはメラミンスポンジでこすりましょう。きれいにしてから収納しておけば、次回の旅の準備も気持ち良く始められます。

布にクレンジングオイルを少量含ませて拭き、ウェットティッシュで仕上げ拭きをすると軽い汚れはきれいに

「特に海外旅行から帰って空港でキャリーケースを受け取ると、汚れていることが多いですよね。汚れは時間がたたない方が落ちやすいので、面倒でも帰宅後に一手間加えてみてください」

旅慣れた赤工さんのアイデアを取り入れて、旅をもっと快適に。楽しい思い出がもっと増えそうです。

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